神智学 教えの紹介(3―8)
『菜食主義と神智学』

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私たちのほとんどは、食事をするときに特に意識をしないでしています。ブロッコリーが嫌いであるとか、チョコレートがずこく好きといった感情とは別に、自分達の食事や行動について特に意識をしていません。私達は、単純に私達の文化に従っています。西洋のほとんどの国では、馬、犬、芋虫を食べることはありませんが、他の国では、これらのものを食べます。ユダヤ人やイスラム教徒は豚肉を食べませんし、ヒンズー教徒は卵をたべません。古代ギリシアピタゴラス学派の人は豆を食べることはしませんでした。
なぜ自分がその行為を行っているのか理由がわからずにその行為を行うことは、ある程その行為を度意識している状態にずきないのであって、それゆえ人間らしい行為としては限定されていると言えるにすぎません。偉大な師匠達のうちの一人は、自分達にとっては行為の意図がすべてであると言いました。私達が行っていることを理解するためには、私達は何のために行為を行なうのかを知らなければなりません。このことは人生のすべてのことにあてはまります。食事のように取るに足らない重要でないとことのように思われることにさえあてはまるのです。
なぜ菜食主義を行なうのでしょうか
菜食主義者は、動物の肉を食べないことについていくつかの異なった動機を持っています。ある人は健康への配慮を動機とし、他の人は地球の環境問題についての関心を菜食主義への動機としています。またある人は霊的修行の一部として菜食主義をおこなっています。菜食主義への動機が何であろうとも、菜食主義を行なうことが、決して神智学協会の会員に必須であるとされていることではありません。しかし、多くの神智学徒は菜食主義者であり、神智学の原則的な教えは、この菜食主義という行為を推奨しています。
神智学はすべての生命が相互に関連していると教えています。現在のように全体論と生態学が興味を引く遥か以前から、智慧の教えは、すべての根源であるすべてのものを超越した統一体を反映した関連性というものが、すべての生物の間にはりめぐらされていることを指摘してきました。この究極的統一体という哲学的見解は、人類の闘争に対する理想としてではなく自然における事実として、人類の普遍的同胞団を主張している神智学協会の第一の目的に反映しています。私たちが他の人やすべての行き物と一体であると認識することによって、私達は地球とその恵みを人類の財産や開拓の収穫として見るのではなく、むしろ保護され、思慮深く、慈悲深く使うべき信託物と見なします。
もう一つの神智学の教えは、形体の進化と同様な意識の進化と霊的覚醒の進化です。私達人類は動物界の中でも、明らかに肉体的発達において近い哺乳類から進化してきしてきました。自らに似ている生命の形体を傷つけたくないという願望は、私達に関係していることであり、私達人間と動物との関係を認識することからおのずから生じてくるものです。私達が関係しており私達に似ている動物を知ることによって、哲学者ジェレミー・ベンジャミンが提示した「動物は、理性を持てず、話すこともできないが、苦しむことはできるのではないだろうか」
という質問が浮かんできます。
世界の菜食主義
特定の宗教団体は、その宗派の信徒に肉の入っていない食事を要求したり、推薦したりしています。例えば、キリスト教では、そのような宗派は、ローマ・カトリックのトラピスト会の僧侶から、プロテスタント系新教諸派の安息日再臨派にまで至っています。例えば四旬節の間という肉を食ベるのを控える期間は、様々な信仰に見受けられます。
いくつかの宗教、特に東洋のヒンズー教、仏教、ジャイナ教は菜食主義を強調しており、菜食主義はこれらの宗教の教義の一つと考えられています。これらの宗教が菜食主義を唱えることは、アヒムサー(不殺生)の概念に基づいています。このサンスクリット語は、文字通りには、「傷つけないこと」を意味します。アヒムサー(不殺生)を実行することはそれ以上のことを意味します。ユダヤ―キリスト教の戒律にもこの東洋のアヒムサー(不殺生)教えに等しいものがあり、「汝、殺すなかれ」または「人にしてもらいたいと思うことを人(ここでの場合、動物に)にしてあげなさい」などがあります。このアヒムサー(不殺生)の教えは、アルベルト・シュバイツァー氏の「生命への崇敬」の主張でもります。。
多くの宗教が、肉体を生きている神の寺院として、その神聖さを強調しています。肉体の健康と完全な状態は私達が維持する責任があるのです。私達が元来困難である霊的な道を歩むことを望む場合、私達には、強さと健康な肉体が求められます。肉体の健康は感情、知性、霊性の健全さを満たすのに必要です。私達は全体であり、そのすべての側面は他のものに影響を与えます。古代の標語「健全なる身体に健全なる精神を(健全な精神は、健全な身体に宿る)」は、現在の生活に必要なことです。
科学と菜食主義
よく選択された菜食が健康によいことを証明する重要な科学的な証拠があります。菜食によって動脈硬化、高血圧、心臓病の発生率が低下し、ある種の癌は、発生率が低下することも注目されています。家畜を飼育する際の抗生物質、成長促進剤、他の薬剤の使用、動物の体組織中の有害殺虫剤の残留物の増加、現代農業の集約飼育法による病気の伝染等が、肉食を避ける他の理由です。菜食主義者は、絶えず栄養摂取において適度な関心を広げているので、肉が食事から除かれた場合には、全体的な食事時間は短くなる傾向にあります。
「人はその人の食べ物の通りになる」という格言は、肉体のレベルと同様に感情のレベルにも当てはまります。ヨガの教えでは肉食は、攻撃性と神経症を増大させるラジャス的即ち刺激的な食べ物と考えられています。インド共和国の初代大統領、ラジェンドラ・プラサド博士によると「我々の食事と食習慣が、我々の環境と人生観を大きく左右する」と述べています。また彼の師匠マハトマ・ガンジーは、「我々が自らの感情を制御するには、最初に自らの味覚を制御しなければならない」と述べています。
畜産による経済的浪費と土地と資源の開発は、世界の食料不足を増大させています。野菜の食材を直接人間が食べることは、野菜の栄養を動物の体を経由して摂取するよりも、世界の大部分を悩ましている食料飢饉をはるかに軽減することができるでしょう。肉食は経済的にも環境的にも、菜食よりもはるかに悪い結果をもたらしています。
菜食主義の実践
著名な菜食主義者を上げるとシェリー、ショー、トルストイ、タゴール、エマソン、ソーロー、ヘロドドス、ピタゴラスと印象的ですが、肉を食べるか食べないかはとても個人的なことです。すべての個人がそれぞれ独特な才能と能力を持っているように、それぞれの人が優先して考えることがらは異なっています。ゆえにある人は、他の教えよりも神智学の教えの中に提示されたある考えに、より大きな意味を見出すでしょう。
菜食主義にはいくつかの形があります。ある人は赤身の肉だけを食べないようにします。またある人は肉は食べませんが、乳製品と卵は食べます(卵菜食主義者)。またその他の人(特にインドの菜食主義者)は乳製品は摂取しますが、卵は食べません。またある人は、動物性の食品は一切取りません(完全菜食主義者)。また少数の菜食主義者は、植物本体を壊してしまわない果実だけを食べます(果食主義者)。ある特定の種類の菜食を選ぶことは個人の判断と良心の問題です。一番重要なことは、各人がこの菜食主義ということがらを注意深く考慮し、意識的な決定をするようになるということです。
しかしながら、菜食主義の哲学に共感を覚える人は、数年前よりも今日のほうが菜食主義を実践するのが容易であることを感じるでしょう。食事の時に肉を取り除く人が米国だけでも一千万人いると見られています。この菜食主義という主題については、食通の菜食主義者向けの料理の手引きなどの豊富な文献があります。現在たいていの食料品では、菜食主義者向けの食材を提供しており、経験を積んだ菜食主義者は、たいてい熱心に菜食主義をはじめたばかりの人を助けます。
菜食主義を受け入れる人達は通常、菜食主義の食事が経済、環境、健康、味覚によいものであるとかわります。菜食主義は、菜食主義者がアヒムサー(不殺生)実践の道の拡大という内なる願望を追及できるようにし、より平和な心の状態になるようにします。
環境哲学者、リチャード・ヘインバーグの言葉によれば、「自然環境に役立ち、地球上の人間の人口問題に長期的に役立つために工業化された諸国において誰もが取ることができる最も有効で実際的なステップのうちの一つは、より肉の少ない食事をすることである。
私の意見は、は食肉業界によって押し付けられた道徳的に困難な状況の簡単で最善の解決法は、菜食主義者になることである。・ ・ ・ 過去20年間の適切な医学研究のほとんどが、脂肪とコレステロールが低く、食物繊維の高い食事をすることが望ましいと指摘しています。統計によると、菜食主義者は肉を食べる人よりも長生きしています。また、菜食主義は、栄養摂取の害ないことを表しています。食事の楽しみに関して言えば、私は、過去25年にわたって肉を食べずに生活してきた後、菜食主義を実践すれば、単に私の条件づけられた肉食習慣を満たすためだけに動物が苦しんだり、死んだりすることがないことがわかるので、食事をするのがはるかに楽しいことがわかってきたと言えます」リチャード・ヘインバーグ著『新しい契約1941年』
さらに読むための推奨本
『無限なる円 創造された生き物と環境への配慮』マイケル・W・フォクス 著(未邦訳)
『自然の新しい契約』 リチャードヘインバーグ著(未邦訳)
以下の料理の本も参考にしてください。
『北米カエデの料理』 モーリー・カテン著(未邦訳)
『北米カエデレストランの新調理法』 北米カエデ協会発行(未邦訳)
『菜食美食家』 アンナ・トーマス著(未邦訳)
『菜食主義新報の料理』 菜食主義新報編集部著(未邦訳)
菜食主義についてより詳しいことは、菜食主義の情報団体サイト www.vrg.org. に連絡をとってください。
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