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神智学 教えの紹介(3―5) 



『誕生 霊的経験のためのさらなる機会』


死というものはないのです。しかし外見上では死はあります。同様に誕生もありません。みかけ上で誕生はあるにすぎないのです。
「"ある"ことから"なる"ことへの変化は、誕生することのようなものであり、また、"なる"ことから"ある"ことの状態への帰還は、死ぬことのようなものである」ティアナのアポロニウス。


誕生と死は一対の神秘ですが、死に対する私たちの関心は、誕生することよりもより重要なことであると思われます。この誕生という出来事は、死という肉体からのその離脱と同じくらい重要です。魂が新しい肉体に入ることは、転生(生まれ変り)、霊的進化、原因と結果の法則によって説明することができます。

一つの人生ともう一つの人生の間の長い期間は、食事に必要な消化と吸収の時間である、一つの食事と次の食事の間の時間に似ていると言えます。不朽の智慧は、一つの人生と次のもう一つの人生の間に、生まれ変わりする魂が前の肉体を持った人生の経験の本質をよりすぐり、同化していき、そしてこれが次の肉体を持った人生の環境に影響を与えていくと教えます。



○誕生 二重の神秘

誕生は二重の神秘を含んでいます。第一の神秘は、親の精子と卵子の結合から胎児が成長していくということです。そして、胎児は複雑で個性的な人間の赤ん坊に成長します。

第二の神秘は、誕生が、生まれ変りする魂と肉体である赤ん坊との結合であるということです。神聖な源泉へと帰還する霊的な道において、新しい経験を求める内なる衝動にひきつけられて、魂は何度も何度も肉体へと戻ってくるのです。


神智学の教えは、魂は新しい肉体に引きつけられるだけでなく、その魂の新しい肉体化身適切な感情的、知的精神的なうつわに引きつけられるということを示唆しています。

個人の性質の特徴は、過去の生まれ変りの人生での経験の結果であると言われています。それゆえに前の生まれ変りの人生での思考、欲望、行動は、現在の環境や、生まれたときの状況に影響をおよぼします。



○知的な存在の導き

子供が危険な経験をしたにもかかわらず無傷であったとき、「守護天使」という用語がよく使われることがあります。神智学は、過去の生まれ変りの人生からの持ち越したカルマ(因果応報の法則)がはたらき出すよう導く霊的な知的存在がいることを示唆しています。

こうした知的な導きの存在物達は、魂が過去の生まれ変りの人生からのカルマの結果のバランスを最善に調節し、魂が自分自身を表現する新しい機会を提供する環境に入っていくのを助けます。子供が経験する新しい状況は、過去の生まれ変りの人生からの関係が続いているということもまた言われています。

不幸にも過去の生まれ変わりの人生での人間関係における経験の調和がとれていなかった例もあります。そしてそうしたカルマの結びつきは、現在の肉体を持った生涯の結びつきへと変換される必要があるのです。



○誕生のドラマ

死の瞬間に魂が肉体を離れることについて多くのことが書かれてきました。おそらく私達は新生児が誕生の瞬間に、必要としていることについてさらに多くのことを発見するでしょう。誕生の過程は、母親にとって劇的なできごとであるように、赤ん坊にとっても劇的なできごとです。

ある赤ん坊は、新しい人生に熱心に向かっていくように見えます。またある赤ん坊は、新しい肉体の経験に入っていくことに抵抗しているように見えます。

フランスの内科医、レ・ボアイエとその他の医者は、小さな照明を備えた静かな雰囲気の部屋が赤ん坊に必要であることを強調しました。こうした静かな環境によって、赤ん坊が子宮のやわらかな環境から肉体生活の全く違った環境へと最も穏やかに移行することができるのです。


詩人と神秘家は、子供が誕生する前の記憶を持っていることを暗に表現しています。しかし赤ん坊が新しい肉体生活を経験てしていくと、これら誕生前の記憶はすぐに忘れられてしまいます。私達が霊的智慧の中で成熟し成長するとともに、私達は進化の目的についてよりよく理解するようなっていきます。


○親の子供への責任

親子関係が、子供の成育により責任があるものと考えられています。肉体を持った赤ん坊は、親が短い期間養育する運命持った魂の表現です。現代の心理学者は、誕生の瞬間から子供への愛と安心感の必要性を強調しています。

多くの親達が、魂が赤ん坊の新しい肉体に入って誕生する再の援助を受け持つ責任に深く気づいています。多くの親達は、子供の肉体的、感情的、知的発達を提供することと同様に、子供の魂をさらなる発達に導く雰囲気を創り出すことの重要性を理解しています。

また多くの親達は、子供が生来の弱点を克服するとともに、潜在している才能と強さを発達させるのを助けることにより、子供の魂の成長を援助する機会の重要性を認識しています。子供がより大きい環境へ移動する場合や避けられない障害に直面した時、愛と尊敬の雰囲気が提供されるならば、親の影響は子供にとって大きな助けとなります。

誕生は、私たちは通常意識して思い出したりしませんが、一つの経験です。しかし、子供が生まれてから入っていく雰囲気は、調和した肯定的な環境が子供が堅実な成長をするための基礎を提供するならば、親が提供することができる最も意味のある経験のひとつなのです。




○巡礼の旅をする魂

生まれたばかりの子供の肉体は、巡礼の旅をする魂に経験の媒体を供給します。賢明な親は、子供が自らの情緒的な性質を理解し、かつ肯定的な方法で自分の知的精神を用いるように子供を援助する最良の可能な方法を求めます。

こうして、子供が霊的智慧を発達させるよう励まします。誕生とともに始まる霊的旅路は、普遍的なもので繰り返しおこなわれるものであり、その霊的旅路のゴールには最終的な帰還があり、神の源泉と再び一つになると不朽の教えは提唱しています。



さらに学ぶための推奨本


『秘教の智慧の基礎概念』 アンナ・ケネディー・ウィナー著(未邦訳)

『神智学の鍵』 ブラヴァツキー著 田中恵美子訳 竜王文庫

『誕生の奇跡』  ジェフリー・ハドソン著 (未邦訳)

『カルマと再生誕 』 クリスマス、ハンフリー 著(未邦訳)

『人生、大いなる冒険』 フェリックス・レイトン、ユーニス・レイトン 共著(未邦訳)

『死から再生誕へ』 ジェームズ・パーキンス著(未邦訳)